ギレルメ暴行を除けば素晴らしい勝利だったはずの12節マリノス戦。
今回は守備でも攻撃でも圧倒的なプレーを見せつけて大車輪の活躍をしたサックスブルーの背番号7、田口泰士のプレーをピックアップします!
もう明日には次のレイソル戦が迫ってきますが、これは絶対に書いておかねば!!
①二種類のプレス
まず初めに、私はハイプレス・ボールへの寄せには2種類あると思ってます。
"ポーズ"か、"本気(マジ)"かです。
そもそもハイプレスする目的は何なのか。
ハイプレスとは高い位置からアグレッシブにボールホルダーへチェックに行き、
相手に自由なプレーをさせないための能動的守備だと思っています。
そんな中で、更に細かくカテゴライズするとこの(1)"ポーズ"か、(2)"本気(マジ)"かに二分出来ると思います。
(1)ポーズとはそのままの意味で
【見せかけ】のプレッシング。
とりあえず相手について行って自分が縦に抜かれないことが大前提の守備。90分間のスタミナ配分も考えないといけないですし、
闇雲に全部食いつきに行って中央をドリブルで突破されたら後ろの守備にも影響が出ますしブロックが破綻してしまいます。そのリスクも考えてとりあえず相手に付いていくだけで無理にボールを奪おうとはしないプレス。
(2)本気とは、勿論前から守備に行きます。そしてボールホルダーと対峙した局面で守備側が
『少しでも隙を見せたら噛み付いてやるぞ』
『少しでもトラップが長くなったり、ズレたりしたら俺はお前からボールを奪ってやるぞ』
という
明確な意思表示、オーラを相手に与えるようなプレッシングです。2度追い、3度追いもいとわないほど粘り強くて隙を狙って足が出てくるハイプレス…。相手からしたら相当厄介なプレーだということは言うまでもないでしょう。
ただしそこでボールを奪えず抜かれてしまったらその後大きなピンチになってしまう可能性もあるので、それぞれメリットデメリットはあります。
②川辺、ムサエフ、アダイウトン
昨季のJ1最小失点を支えた名波ジュビロの強固な守備ブロックとプレッシング。この中核を担っていたのは私は川辺、ムサエフ、アダイウトンの3人だったと思っています。
この3人はまさに"ポーズ"ではなく"本気"のプレッシングを使うことが出来る選手たちでした。
プレッシングの最大の目的が
相手に自由なプレーをさせないための能動的守備ならば、ポーズではなく本気のプレスの方が相手に与えるプレッシャーという意味では遥かに大きいです。
これは名波監督がJ2時代からずっとチームに植え付けていたこと。マリノス戦後のインタビューでもマリノス対策をしたというわけではなく我々がずっと積み重ねてきた戦術だと断言していましたね。
名波ジュビロの中盤の"本気"のプレス。更に過去を遡れば小林祐希や松井大輔もそれが出来ていました。
ただし二人共90分間そのスタミナを維持出来るかどうかという面で苦しかったとは思うのですが、川辺やムサエフ、アダイウトンはその問題を克服していたし、お互いのサポートの距離感も抜群だったため縦に抜かれて守備ブロックが破綻することは殆ど無かったですね。
③2018年、中盤の構成が変わった磐田
しかしシーズンが変わり、チームの編成も変わった名波ジュビロ。川辺駿は広島へ戻り、ムサエフとアダイウトンは膝の大怪我で早々に長期離脱となってしまいました。
昨季の"本気"プレスが出来ていた3人ではなく、田口泰士、山田大記、松浦拓弥、山本康裕、上原力也等が中盤でプレーするようになりました。
ポゼッションベースの攻撃にチャレンジする時間帯も多くなってきてる中、まさにマリノス戦でこの"本気"プレスを徹底してマリノスを攻略していた選手こそ、
背番号7田口泰士でした。
1点目と3点目はまさに相手のトラップの直後を狙った田口泰士の能動的なハイプレス起点でした。
④【電撃戦】
実際のプレーを映像でチェックしてみます。
1点目は天野純のボールロストですが、田口泰士は天野純がボールを受けて反転して前を向くのか、そのまま後ろ向きでボールをトラップするか、どちらのプレーにも対応出来る角度でプレッシングに行っています。
(←田口は決して闇雲に噛み付きに行っているわけではない)
そして天野純が後ろ向きのトラップの選択した瞬間、"本気"のプレッシングで足を入れてボール奪取。
そこから一気に山田も川又も松浦も加速。ボール奪取から松浦のシュートまでかかった時間は
僅か7秒…
3点目も田口泰士。遠藤渓太のスローインから中町公祐へ。この時田口泰士は連戦でずっとスタメン出場しているにもかかわらず、疲れが出てくる後半のこの時間帯で中町→遠藤→中町と
三度追いしてます…
そして中町のトラップの瞬間、バックパスの瞬間を狙い足を出してボール奪取。シュートまでかかった時間は
僅か1.5秒ほど…
新加入選手の田口泰士に川辺駿等が得意としていた"本気"プレッシングからのボール奪取を落とし込んで機能させてる名波監督も素晴らしいですが、その監督の要求にこれほどまで完璧にプレーで応えている田口泰士の能力の高さ…
更に芸術的ロングループシュートの精度と視野、判断力も含めて紛れもなくスーパーでしたね…
『おまえを…いつも狙っているぞ!』
この日の3ゴールはどれも相手からボールを奪って素早くシュートまで到達するショートカウンターからでした。
まさに電撃戦。
少しでもトラップが流れたり、パスがズレたりしたら常に相手に狙われている…
マリノスの選手たちはそういったプレッシャーに常に晒されていたので、あそこまで横パスバックパスが増えてしまったんだと思いますね。
この日の田口泰士には本当に素晴らしい守備と攻撃を楽しませて貰った…
これからもチームを勝利に導く活躍をして欲しいですね。
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